シバンムシ駆除

害虫

シバンムシの生態と習性について

シバンムシは、6月~9月によく現れます。最近、弊社のQ&Aのコーナーに頻繁に寄せられる「2、3ミリぐらいの茶色の殻の固い虫」というのは、ほぼシバンムシではないかと思われます。

 

シバンムシにも仲間があり、世界ではなんと1,000種が知られています。その多くは、主に樹木を穿孔加害します。そして一部のものが屋内に住み、建物や書籍や、植物質の乾燥食品を加害するのです。日本の中で代表的なものは「ジンサンシバンムシ」「タバコシバンムシ」、「フルホンシバンムシ」などがいます。

 

ジンサンシバンムシとタバコシバンムシ

両者の違いは、ぱっと見たところでは解りませんが、じっくり見てみるとジンサンシバンムシより、タバコシバンムシのほうが、より丸い形をしています。それに、ジンサンシバンムシの体は縦方向にすじが入ったようになっていてます。タバコシバンムシは触覚に特徴があります。

 


出典:日本ペストコントロール協会

 

食性

ジンサンシバンムシと、タバコシバンムシの食性は、とても似ています。 両者はきわめて雑食性の種類で、含水量6~15%のあらゆる乾燥した植物体を食べます。とくに、貯蔵穀物や穀粉およびパン、ビスケットなどの菓子類で多く発見されています。その他に主なものは、小麦粉、米粉、トウモロコシ粉などの粉類。ビスケット、クッキー、チョコレートといったような菓子類。うどん、ソーメン、スパゲティなどの乾燥麺類。唐辛子、コショウなどの香辛料も害し、昆虫の死骸やドライフラワー、皮革などからも発生します。

両者の食性で、違うところといえば、タバコシバンムシは、ジンサンシバンムシが食害しない、畳、ワラによく発生します。もちろん、名前の由来にもなっているタバコも食害することで有名です。一般家庭では、ソーメンの木箱などでよく見られます。

 

アリガタバチの恐怖

シバンムシが多く発生すると、そのシバンムシに寄生する「アリガタバチ」が発生します。 アリガタバチは、体長1.3~2.7ミリぐらい。人を刺し、ひどい痒みを与えます。痒みは1週間から10日ぐらい続くといわれています。 アリガタバチを駆除するには、その寄主であるタバコシバンムシやジンサンシバンムシを同時に駆除しなければなりません。

 

駆除方法

食性により、発生場所が異なるため、駆除方法は変わります。 まず、発生源となるものの確認を行ってください。

 

食品に発生している場合

まず、シバンムシのエサとなる、食品の管理です。現在虫が寄生している食品は捨ててください。シバンムシのエサになりそうな食品は、密閉容器などに入れて、管理してください。そうすれば、たとえ本種を見たとしても、被害が広がる恐れはなくなります。

 

和室に発生している場合

和室の場合、畳に寄生しているのがほとんどです。畳をめくる上げてみると、タバコシバンムシの姿を確認できると思います。 駆除は、発生源がわからない場合が多いので、くん蒸(バルサン)をしたほうがいいでしょう。方法は、使用方法にしたがって行い、できれば畳を上げたり、引出しを開けたりしてください。こうすることにより、部屋の隅々まで煙が行き届き、駆除効果が上がります。しかし、畳の内部の幼虫にまでは、薬剤が到達しません。一般的に、摂氏60℃以上であれば成虫・幼虫とも死にます。摂氏60℃以上になる工夫をしてみてください。