カメムシの駆除

害虫

ここのところ、カメムシの問い合わせが殺到しています。カメムシは、温暖期には野外に生息し、秋季には越冬のために集団で家屋内に侵入してくることがあります。発生は、北海道、東北、北陸、本州の山岳地帯で見られ、地域全体に起こるのではなく、建物の立地条件によって変わります。一般には、建物の後方に林などがあり、前方が開けているような環境で起こりやすいといわれています。とくに、秋季に日当たりのよくなる壁面をめがけて飛来します。飛来は、小春日和の暖かい日に起こり、寒い日や、雨天の日には飛来しません。そのため、『いなくなった』と思っていたら、また発生した、というケースも少なくないです。

カメムシの駆除は困難!?

カメムシの駆除にあたってまず必要なことは、その被害が年2回起こるという認識です。秋には越冬のため、春には越冬から覚めて出ていくための2回です。そのため、ふたたび同じような事が起こることを知っておく必要があります。

 

そのことを知っていても、一般の方のカメムシ駆除は非常に困難です。駆除が困難であるのは下記の様な理由からです。

 

発生源対策ができない

ほとんどが広範囲に生育しているため、その除去も発生源に対する薬剤散布も、学力的、経済的に不可能です。物理的に家屋内侵入を防ぐことができないカメムシが誘引される隙間は2~3ミリであるため、建物からそのような隙間をなくすことは不可能です。

 

薬剤散布が手軽にできない

飛来の際の壁面散布は、高所に向かっての散布になるため、強力な機器を必要とし、効果的な薬剤があったとしても実際上使用は容易ではないのです。

 

行政対応がしにくい

被害があまり広域化しないので、個人的な解決を求めざるを得ないため、不満が起こりやすいです。

 


出典:日本ペストコントロール協会

駆除はどうすればいいの?

それでは、駆除はどうすればよいのでしょうか。

「駆除」というよりは、「防除」と考えたほうがよいのかもしれません。カメムシの場合、次々と侵入してくるため完全な駆除というのはとても困難なのです。ですので、駆除を考えるより、『どうやったら飛来を防げるか』ということを考えるほうが解決につながると思います。

 

スコットカメムシはその発生地からよく見える家屋には多く飛来しますが、見えない場所の家屋には飛来しません。この観点から、家屋の建築場所を特定するとともに、できるだけ家屋の周辺に立木を残すようにしたいですね。また、すでに建築されている家屋では、上記観点から立木を育てることをお薦めします。